老犬ハナ

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老犬ハナ

ハナが、生後2カ月で我が家にやってきたのは、
長女が中1、長男が小3になる春だった。

元気いっぱいで可愛らしかった子犬が、今は13歳。
すっかり老犬だ。

昨年の夏、それまで毎日歩いていた散歩コースを、初めて嫌がった。
一昨年から距離は半分に減っていたが、
昨年の夏は、家の前の道を何往復かするだけの散歩になった。
秋からまた散歩コースに戻ったので、多分、夜も暑さが残っていたのだろうと考えた。

しかし、また今年の春から嫌がるようになった。
耳はすっかり遠くなり、

目もほとんど見えなくなって、散歩が面白くないのだろう。
動作も緩慢で、ヨチヨチ歩きだ。
道行く人から、
「まだ13歳なのに?」
と絶句されるような、老け込みぶりだ。

そして今年の6月、とうとう夜鳴きが始まった。
深夜2時頃になると、申し訳なさそうに、哀しそうに鳴く。
「よしよし」となでてやると、安心して眠りに就く。

しかし、夜鳴きは、 犬の認知症のシグナル。
ハナのような柴系ミックス犬は、
11歳過ぎると罹りやすいのだという。

悪化しないように、DHAサプリや犬用煮干しを与え、努めて昼間遊んでやり、夜に寝させるようにした。
効を奏して、丸々1ヶ月、靜脈曲張手術 鳴かない月もあった。
しかし、やっぱり、鳴いたり鳴かなかったりの現状だ。

住宅街での夜鳴きは、近所迷惑甚だしいので、すぐになだめにゆく。
なだめれば大人しくなるのが幸いだが、深夜30分おきに何度も起こされると、さすがに情けない気持ちになる。

何より辛いのは、あの、表情豊かで愛嬌たっぷりで、
賢く命令を聞き分け、立派に番犬を務めたハナの記憶が、
目の前の、頑迷で無表情な姿に、上書きされることだ。

「お座り」も「お手」も忘れてしまったハナと、
家族総出で、できる限り触れ合おうと、
格闘する毎日は続く。
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