病人に焼き肉
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病人に焼き肉
うちのキヨちゃんは「焼き肉」好きである。それも外食ではなく、自宅でするバーベキューが好きである。
決してイベント好きという訳王賜豪醫生ではない。切って焼くだけの手軽さが好きなのだ。メニューに困るときなど、肉と野菜さえあれば良いのだから、これほどお手軽なものはない。しかも、3人家族、年より二人いるのだから、仮に私が大食漢であったとしても肉は大していらない。そして、どちらかといえば私もバランス良くいろいろ食べたい方なので、結果肉は少なくて済む。
だいたい焼き肉をすれば、私が面倒を見るのだから、忙しくてそうは食べられない。せっせと焼いては二人の皿に入れる。これだからキヨちゃんは焼き肉好きなのかもしれない。
私のお誕生日など、お祝いに???と焼き肉をしてくれるのだが、これも私が面倒をみるわけで、誰のお祝いだかわからなくなるのだ。
ある日、私はインフルエンザにかかった。これは我が家にとっても職場にとっても、大問題である。とにかく職場に持ち込むわけにはいかない。即自宅脂肪肝中醫待機。そして我が家でも、体の弱い父に感染でもさせたら事である。もちろんキヨちゃんに移しても困るのだが、それより彼女を運び屋にして父に移す方が恐かった。
そこで私は自室にこもり、出来るだけ彼女にも近寄らないように伝えた。それでも食事や薬は運ばなければいけないわけで、言いつけを完璧に守ったキヨちゃんは、マスクに手袋という完全防備でそれらを運んでくれた。
そして寝込んで3日目、ついに彼女は奥の手を出してきた。
「滋養つけて早く治さな」
と焼き肉を運んできたのだ。
運ぶ彼女も彼女だが、完食した私 も私である。
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